共同研究プロジェクト
このプロジェクトは、国内外の日本学研究の手法を統合し、
2次元の恐怖!:北米と日本のホラー漫画における表現技法の発展の比較研究
研究代表者:クレイグ・クリストファー(統合日本学センター 教授)
研究分担者:コピローワ・オーリガ(文学研究科 特任助教)
20世紀後半における日本のホラーマンガとアメリカのホラーコミックの発展を辿り、比較分析を行う。特に1990年代以前に出版された日本のホラーマンガとアメリカのホラーコミックに焦点を当て、両国におけるホラーコミックの形成期における表現的・形式的特徴を比較する。
近現代日本研究におけるローカリティの表象と可能性
研究代表者:魏 然(統合日本学センター 助教)
研究分担者:仁平 政人(文学研究科 准教授)
文芸作品および映画作品におけるローカリティの表象を手がかりに、地域文化と創造的表現との相互作用を検討する。文学者および映画作家が創作活動を通じて地域固有のアイデンティティをいかに認識・構築し、文化的想像力を介して可視化しているのかを分析対象とする。
20世紀後半日本の文学・メディアにおける分断された現実の媒介
研究代表者:タイルンロート・アジャナー(統合日本学センター 助教)
研究分担者:茂木 謙之介(文学研究科 准教授)
「分断された現実」とは、トラウマ、不安定性、環境危機、情動的な違和感などといった要素により断片化された、重層的・変動的なリアリティを指す。1960年代から2000年代にかけて、日本社会における歴史的・経済的・感覚的な断絶と変容が、文学やメディアにどのように表象され、いかに「現実」(または「非現実」)の再構築へとつながってきたのか検討する。
東北大学所蔵の近世・近代日本経済史史料のデジタル化と総合研究
研究代表者:ダミコ・ジョン(統合日本学センター 助教)
研究分担者:酒井 一輔(経済学研究科 准教授)
東北大学経済学部所蔵の煙山村文書・今井村文書のマイクロフィルムと、東北大学附属図書館所蔵の小谷文書のデジタル公開と研究を行う。本学所蔵の史料に基づいた研究基盤を構築するとともに、国内外の研究者による教材・研究対象としての活用促進を図る。
The Long1960s研究の国際的展開と東北大学資料のデジタルテキスト化事業
研究代表者:安達 宏昭(文学研究科 教授)
研究分担者:加藤 諭(学術資源研究公開センター史料館 教授)
世界規模で起こった高度経済成長下での諸側面や記憶、その後への変化を比較検討することで、現代社会の問題点や構造を明らかにする。併せて、東北大学総合知デジタルアーカイブで公開している史料の英文化作業を通し、この研究の国際的な拡大を図る。
身体観の日本-海外比較研究
研究代表者:阿部 恒之(文学研究科 教授)
研究分担者:荒井 崇史(文学研究科 教授)
日本を含む東アジアでは、いまだにタトゥーへの忌避反応が強いが、欧州ではタトゥーをする人は珍しくない。本共同研究では、自分の身体をどう捉え、どう扱うかという「身体観」について、その文化差が生じる要因やもたらす影響を明らかにするため、デジタルアーカイブを活用したデータ収集および国際比較を行う。
日本中世文書の英訳とデジタル・フィジカル発信
研究代表者:柳原 敏昭(文学研究科 教授)
研究分担者:ダミコ・ジョン(統合日本学センター 助教)
文学研究科日本史研究室所蔵の古文書群「朴沢文書」について、英訳、英文解説の作成を進める。その上で、本学の総合知デジタルアーカイブ(ToUDA)および学術雑誌への掲載と、附属図書館での展示会によってデジタル・フィジカルの両形態から発信を試みる。
戦争記憶の世代間継承に関する学際的研究:トラウマの語りと共有に注目して
研究代表者:越智 郁乃(文学研究科 准教授)
研究分担者:石井 弓(東北アジア研究センター 准教授)
戦争記憶の継承について、戦争体験の語りと共有に関する実態の国際間比較を通じて議論することで、ナショナリズムに収斂しない記憶研究の地平を拓くことを目指す。特に、これまで個人的なものとされてきた戦争トラウマに注目し、物語化・表象化という行為によってそれが他者と共有されることの意味について論じる。
MLAデジタルアーカイブに関する⽣成AI活⽤についての共同研究
研究代表者:加藤 諭(学術資源研究公開センター史料館 教授)
研究分担者:菊谷 竜太(統合日本学センター 准教授)
片倉 峻平(学術資源研究公開センター史料館 特任講師)
現在国内外を問わず貴重資料・図書のデジタルアーカイブ化が進められており、その過程で重要視されているのが「データについてのデータ」とも形容されるメタデータである。統合的、横断的なメタデータ整備に向けての諸課題の解決を図るため、本プロジェクトでは生成AIを活用したメタデータ付与の可能性を国際的な共同研究の体制のもとで検討する。