現在国内外を問わず貴重資料・図書のデジタルアーカイブ化が進められており、学術・文化資源(古典籍、歴史文書など)を同一のプラットフォームにおいて、統合的に公開し横断的に検索する機能を提供することが目指されている。こうしたデジタルアーカイブにおいては、デジタル化された資料の機械可読性を担保し、メタデータ以外のデジタル画像をオープンに活用出来る環境を整える必要がある。資料の広範囲な利活用は、それらの資料群の学術的価値を高めることにも繋がる。
しかしながら、現状のデジタルアーカイブシステムにおいて上記を実現するため、多様な専門分野を背景とした学術資源を、同一のプラットフォーム上で検索利用する上では、①現在は専門家の判断が必要であるため、機械学習におけるアノテーションが抱える課題と同じく、資料のデジタル化におけるメタデータの付与のリソースが不足している点、②近現代資料については図書館情報学、アーカイブズ学、博物館学における公開方針が異なり、分野を超えた統一的な利用設定が出来ない点、が課題となっている。
本研究では上記課題を解決するため、デジタルアーカイブを生成AIが利用可能なデータとして構造化するための研究を、国際的な共同研究の体制のもとで実施する。その上で、デジタル学術空間の知識基盤の国際的なモデルを構築し、DX-AI 時代に成立する日本の人文学が進むべき方途をしめす。