近世から近代にかけて、金融がどのように展開し、社会に根強く浸透してきたのか?現代、「お金のちから」あるいは「資本の強制力」が自明のこととして論じられているが、その社会における役割と意味は歴史的に形成されたもので、自然にできたわけではないとは言うまでもない。
本研究は、近世・近代日本における金融の仕組みとその特徴を明らかにした上で、比較史的にその特徴を検討し、従来の西欧史に基づいた金融史の通説を考え直す試みである。その実証的な基盤を確立するために、東北大学所蔵の豊富な経済史関係史料を活かし、且つそのデジタル化とAIによる翻刻をもって、経済史における新たなデータセットを作る。人文系研究方法に基づいた質的研究とともに、デジタル・ヒューマニティーズや経済学の方法をも利用し、日本の近世・近代史からみた、新たな比較史を試みる。データセットの公開や共著論文などの他、最終的に国内外の研究者と一緒に国際共著を世に問う。