本学際的研究プロジェクトは、1960年代から2000年代にかけて、社会的・歴史的な大きな変化が人びとにどのように生きられ、文化やメディアを通じて媒介されてきたのかを明らかにすることを目的とする。文化表現、メディア、インフラ、都市空間、環境が、変化や危機の時代を人びとがどのように知覚し、経験するのかを形づくってきた過程を検討する。また、日本を孤立した一国的な空間として捉えるのではなく、イメージ、思想、技術、商品、日常的実践がアジアおよび世界を循環する、より大きな越境的文脈のなかに位置づける。本プロジェクトの中心にあるのは、「身体で経験される現実」という考え方である。これは、大きな歴史的変化が、日常生活のなかでどのように経験され、表現されるのかを捉えるものである。異なる分野の研究者が協働することで、変化する現実が、日常的な経験、身体感覚、情動、移動、そして人間と非人間的な生命や環境との変化する関係を通して、どのように媒介されるのかを理解するための新たな方法論を構築する。
本研究は、文学・メディア作品の精密な読解を、社会史、メディア史、社会学、文化人類学等の方法と接続し、日本をアジアおよび世界におけるイメージ、思想、文化商品の流通と受容のなかに位置づけて考察する。また、ToUDA、国立国会図書館デジタルコレクション、日文研等のデジタルアーカイブ、J-DAC(ジャパンデジタルアーカイブズセンター)などのデジタルアーカイブを活用した資料調査を行う。 これにより、 分野・地域を横断する人文・社会科学研究とデジタル資料の活用を結びつけ、人文・社会科学系研究とデータ駆動型研究との融合を図る「統合日本学」を実践する。