「長い1960年代」(The Long 1960s)の共同研究は、研究代表者・安達教授とローマ大学ラ・サピエンツアのマルコ・デル・ベーネ准教授を中心に2019年から始められた。2022年には、支倉リーグでの取り組みを通して書籍「Revolutionary Times ー A Comparative View of the Long 1960s in Japan and Italyー」の刊行に至っている。
本プロジェクトの目的は、世界規模で起こった高度経済成長下での諸側面や記憶・その後への変化を比較検討することで、現代社会の起点として、世界における現代社会の問題点や構造を明らかにすることである。さらに、その中でも大きな出来事であった世界中の1968年の学生運動について、東北大学総合知デジタルアーカイブで公開した史料館所蔵の学生のビラや大学側で対応にあたった委員会の記録を、英文化する作業を通して、ローマ大学ラ・サピエンツアの学生の日本語教育に協力することである。
史料の英文化により、世界の研究者の利用に供し、この研究の拡大を図ろうと考えている。本年度は、支倉シンポジウムで、ドイツの状況(広島市立大学の竹本准教授が担当)も入れた1968年の運動とその後の影響を比較検討する。また、11月からローマ大学東洋学部の修士課程の授業でテキスト化に協力してもらう。
▼関連書籍
Revolutionary Times ー A Comparative View of the Long 1960s in Japan and Italyー
安達 宏昭, Christopher Craig, Marco Del Bene, Enrico Fongaro(編), MIMESIS INTERNATIONAL, 2022年

