本研究プロジェクトは、東北大学経済学部所蔵の煙山村文書・今井村文書のマイクロフィルムと、東北大学附属図書館所蔵の小谷文書のデジタル公開と研究を行う。
煙山村文書・今井村文書は故中村吉治先生の膨大な村落史研究に利用され、日本における歴史学・社会学研究に大きな影響を与えた史料郡であるが、近年の経済史の成果を踏まえてその再検討が必要であると考えられる。小谷文書は、仙台藩の株仲間制度と流通構造を始め、東日本全体における近世後期の砂糖取引や金融ネットワークを理解するために重要な情報源を提供する。
これらの史料群を、学生の協力を通してToUDA(東北大学総合知デジタルアーカイブ)にて公開し、オンライン展示と学内ワークショップを行うことにより、本学所蔵の史料に基づいた研究基盤を構築するとともに、国内外の研究者による教材・研究対象としての活用の促進を図る。
▼仙台藩薬種仲間の席順争いに関する口上書控、慶応元年5月(小谷文書、東北大学附属図書館所蔵)
