本共同研究は、20世紀後半における日本のホラーマンガとアメリカのホラーコミックの発展を辿り、比較分析を行う。特に1990年代以前に出版された日本のホラーマンガとアメリカのホラーコミックに焦点を当て、両国におけるホラーコミックの形成期における表現的・形式的特徴を比較する。この研究を通して、1950年代から1980年代にかけて活躍したアーティストを包括的に分析し、ホラージャンルの歴史的概観を深めるとともに、二つのコミック文化におけるグラフィックホラーの発展を比較することが可能となる。
研究代表者のクレイグ・クリストファーは、物理メディア、オンラインおよびデジタルアーカイブやデータベース、ファンやアマチュアの研究成果、その他出版物を用いて、1949 年に出版された最初のホラー コミック本から、ホラー コミックと犯罪コミックの検閲を特に目的とした 1955 年の Comic Code Authority の設立まで、米国で EC Comics やその他のアメリカの出版社によって出版された、ジャンルを確立したホラー作品を調査する。共同研究者のコピローワ・オーリガは、東京の様々なアーカイブ、デジタルアーカイブ、そしてコレクションに所蔵されている1950年代から1980年代にかけてのホラーマンガを検証する。
本研究は、日本と北米におけるグラフィック・ナラティブにおけるホラージャンルの発展を、その形成期に再構築することを目的とし、各国におけるホラージャンルの独自の形成過程を辿ることで、地域横断的なメディア研究に貢献するものである。
